平成29年3月15日「『酉』年は『恐竜』年!?」その5
前回は「恐竜と鳥の骨格には共通する特徴がある」ということを、腰の骨をたとえに解説しました。今回はもう一つ、恐竜と鳥の共通点を見てみましょう。
写真はノスリの骨格標本です。矢印で示したU字形の骨は「叉骨(さこつ)」といいます。わたしたちヒトにも「鎖骨」が左右1本ずつありますが、左右の鎖骨が合体して1つの骨になったものが叉骨です。この叉骨は、鳥だけがもつ骨だと考えられていました。
しかし近年では、一部の肉食恐竜のなかまにも叉骨をもつものがいたことがわかっています(写真はティラノサウルスです、画像が粗くてすみません)。このように恐竜と鳥の骨格には共通する特徴がいくつもあります。鳥のような羽毛をもつ恐竜がいたことも明らかになっていて、新たな発見があるたびに恐竜と鳥とを分ける境界線はゆらいでいるのです。
現在では「肉食恐竜が進化して鳥になった」「鳥は現代まで生き延びた恐竜である」ということは定説化し、学術的な場では鳥のことを「鳥類型恐竜」と呼ぶこともあります。恐竜は現在も私たちの身近なところで生き続けているのです。
さて、鳥は恐竜であるということは、「酉年」の2017年は「恐竜年」でもある、とは考えられないでしょうか?12年に1度の恐竜イヤー、ぜひ恐竜の話題に注目してみてください!
※「『酉』年は『恐竜』年!?」は今回で最終回です。
(by恐竜隊員1号太田)