私は、「顔の見える町政」を大切にしたいと考えています。
町政では、広報紙やホームページなどを通じて事業や行事をお知らせしていますが、それだけでは「町長は何を考え、なぜその政策を進めているのか」という思いまでは十分にお伝えできないこともあります。
そこで今月から、毎月「町長メッセージ」として、その時々に私が大切にしている考えや町の課題、政策に込めた思いを町民の皆さまに直接お伝えしていきたいと思います。
人口減少や少子高齢化など、自治体を取り巻く環境が大きく変化する中で、行政だけでまちづくりを進めることはできません。町民の皆さまと課題や目標を共有し、対話を重ねながら、一緒に未来のむかわ町をつくっていくことが何より大切だと考えています。
このメッセージが、町政をより身近に感じていただき、ともに考え、ともに歩むきっかけとなれば幸いです。
「変えよう、むかわ町。今こそ一歩。」
この言葉を胸に、町民の皆さまとともに、一歩ずつ進んでまいります。
私たちの暮らしを支える公共交通は、通勤や通学、通院、買い物など、日々の生活に欠かせない大切な移動手段です。特に、自家用車を利用できない高齢者や学生にとっては、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために欠かすことのできない社会基盤です。
今月は、JR日高線の存続と、これからの地域公共交通のあり方について、私の考えをお伝えします。
JR日高線は、かつて苫小牧から様似までを結び、地域の暮らしや産業を支えてきました。しかし、令和3年に鵡川・様似間が廃止され、現在は苫小牧・鵡川間で運行されています。
この区間についても、人口減少や利用者の減少などを背景に厳しい経営状況が続いています。10月には、国、北海道、JR北海道、沿線自治体によるワーキンググループが開催され、鉄道の維持と持続可能な地域交通のあり方について協議が行われました。
私は、日高線の存続について、単に鉄道の赤字をどう解消するかという視点だけで考えるべきではないと思っています。
鉄道には、運賃収入だけでは測ることのできない役割があります。通学や通院など日常生活に必要な移動を支えるとともに、地域と地域を結び、人々の交流を生み出す役割も担っています。
一方で、利用者が減少する中、これまでと同じ仕組みで鉄道を維持していくことが難しくなっている現実にも、しっかりと向き合わなければなりません。
そのためには、まず日高線が地域に果たしている役割を明確にし、国、北海道、JR北海道、沿線自治体がそれぞれの責任と役割を共有した上で、将来にわたって持続可能な仕組みを構築していくことが重要です。
特に、国には、広大な行政面積を抱える地方自治体の実情を踏まえ、公共交通の維持に向けた財政的・制度的な支援を求めていきたいと考えています。また、北海道には、個々の路線の問題にとどまらず、北海道全体を見据えた広域的な公共交通ネットワークの構築に向け、主体的な役割を果たしていただきたいと考えています。
また、鉄道を将来にわたって維持していくためには、町民の皆さんが利用しやすい交通環境を整えることも欠かせません。鉄道と路線バス、デマンド交通などとの接続を改善し、それぞれの交通手段が互いに補い合いながら、日常生活の中で利用しやすい交通体系をつくっていく必要があります。
私は、鉄道を残すことと、町民の皆さんの移動を守ることは、決して別々の課題ではないと考えています。
公共交通は、一度失われると、再び取り戻すことが容易ではありません。だからこそ、将来の人口規模や暮らしの変化も見据えながら、次の世代にどのような交通基盤を残していくのか、今こそ真剣に考えていかなければなりません。
町としても、関係機関との協議を重ねるとともに、町民の皆さんの声を大切にしながら、JR日高線の存続と、地域に必要な公共交通の確保に向けて取り組んでまいります。
守りたいのは、鉄道だけではありません。その先にある、町民の皆さんの暮らしと地域の未来です。
これからも、誰もが安心して移動でき、住み慣れた地域で暮らし続けられるむかわ町を目指し、一歩ずつ取組を進めてまいります。
町長施政方針及び令和8年度予算の概要を令和8年7月発行の広報むかわに折り込み配布しました。施政方針の全文は、別添資料内のQRコードからご覧いただくことができます。
・施政方針と予算の概要.pdf(351KB)