調査・研究中のハドロサウルス科恐竜化石

調査・研究中のハドロサウルス科恐竜化石

 穂別博物館は北海道大学・北海道大学総合博物館と共同で、むかわ町穂別地域から白亜紀末のハドロサウルス科恐竜化石の発掘を行っています。2014年の第二次発掘までに全身の大部分が採集されたと考えられ、現在は化石周辺の余分な岩石を取り除くクリーニング作業を重点的に進めています。このハドロサウルス科恐竜は全長8mと推定されていて、日本から産出した極めて保存状態の良い恐竜化石として世界的に注目されています。

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産出が確認されている部位(2016年4月までに確認された部位)
(pdf)
むかわ町穂別産恐竜に近縁のオロロティタン図

 2003年4月に穂別町在住の堀田良幸さんが散歩の延長でアンモナイトなどが産出する沢沿いを歩いていた際に、崖の中腹で骨化石を発見し、穂別町立博物館に寄贈しました。この骨化石は首長竜の尾椎骨であると判断され、そのクリーニング作業は、他の重要な化石に次ぐものとして後回しにされていました。
 その後、2010年から首長竜化石としての調査・研究のため、この化石のクリーニング作業をはじめました。2011年に、首長竜としての研究をお願いしていた佐藤たまき先生(東京学芸大学・准教授)が、この標本が首長竜ではなく恐竜のものである可能性を指摘しました。 
 そこで、恐竜研究の専門家である小林快次先生(北海道大学総合博物館・准教授)に鑑定をお願いしたところ、恐竜化石であることが確認され、おそらくハドロサウルス科(植物食恐竜)のものだろうとされました。2003年に寄贈された部分は尻尾の中間から後ろにあたる尾椎骨が13個も連結していたものであったので、この恐竜は、死後その場で埋没し、化石になったものだろうと推定されました。恐竜化石が産出した層準は波の影響を受けないほど水深が深い場所であることなどから、尻尾だけでなく全身骨格が埋蔵している可能性も高いことが分かりました。

プレス発表写真201307
最初に発見された尾椎骨、発見者の堀田さん、小林先生。2013年7月記者発表会場

 この恐竜化石を発掘するために、小林快次先生と北海道大学の学生や北海道大学総合博物館のボランティアの方々の協力を得て、2013年9月~10月に第一次発掘を、2014年9月に第二次発掘を行いました。第一次発掘では1.2mの右大腿骨(モモの骨)を含め、後肢と尾椎骨の大部分を発掘しました。第二次発掘では100本におよぶ遊離した歯や頭骨の一部を確認しました。第一次・第二次発掘で採集した骨化石入りの岩石は、計6トンに及び、これらの中に全身に近い骨化石が埋蔵されていると考えられえています。余分な岩石を取り除くクリーニング作業には時間がかかるために、すべてのクリーニング作業が終了するまでに数年間の時間がかかると見られています。

露頭写真
発掘現場(2013年第一次発掘)(撮影:藤田良治氏 北海道大学総合博物館 助教)

産状 
恐竜化石の産状(2013年第一次発掘)(pdf)
 
採集部位
2014年第二次発掘までに採集した恐竜の化石分布図(pdf)

遺骸
恐竜遺骸が流されているようす(服部雅人氏提供)


むかわ町穂別産恐竜の情報(博物館ブログ)