平成30年9月21日「北海道胆振東部地震」ドキュメント(その1)

9月6日未明に、むかわ町を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生しました。ここ穂別でも震度6強を記録しました。私(佐藤)の住むマンション自室はめちゃめちゃ!ご近所の部屋からは、勢いよく水の噴き出す音が聞こえ、玄関前には水が漏れ出していました。そして停電。近隣に助けを求める者が居ないかを確認した後、役場へ向かい、すぐに避難所担当となりました。
震災直後役場内
※役場に向かうと、わずかな明かりの中、机上のパソコンなどがなぎ倒されていました。


 私の担当避難所の穂別小学校は、体育館の窓ガラスの割れる危険があったため、急きょ、隣接する穂別中学校が周辺区域の避難所となり、私を含めたスタッフ4名が担当しました。
小学校校門

                  ※崩壊した穂別小学校の校門
  

 約80名の避難者を収容した穂別中学校では、自家発電により体育館内のみ照明がつき、避難してきた方々はやや安心した様子を感じることができました。

避難所1
               ※避難者の皆さんは冷静に感じました。

給水
                    ※消防署の方々のご尽力!

 また、生活用水(トイレ・清掃などに使用)として設置された玄関前のタンクにより、水洗トイレが使えるようになりました。バケツで水洗タンクに水を補充する作業は中学校の先生方が対応くださり、トイレ入り口の見守りもしていただきました。普段、気にもしないトイレ用の水が、これほどありがたいと感じたことはありませんでした。(不通になった電話以上に!)

タンク
※このタンクから、水をバケツに入れる作業は、二人一組で、一人がホースをバケツにあてがい、もう一人がハンドルの開閉をうまく調整します。(バケツ半分で止めます。)この息の合った作業をしなければ、貴重なタンクの水はあっという間にバケツ何杯分もこぼしてしまいます。
  タンクが満水の時、大きな注水口から直接バケツで汲むという実に簡単な方法は、スタッフ全員が、しばらくしてから気づきました!

 夜は廊下が真っ暗で、トイレを利用する方々の足元をライトで照らすため伴って歩きました。外に出ると、さらに真っ暗闇。たばこをたしなむ方のほのかな光が灯っていました。
                                 つづく。

(by隊員2号 佐藤)



9月26日「北海道胆振東部地震」ドキュメント(その2)

 当初、避難所でのリアルタイムの情報はテレビ・ネットもなく、ラジオだけでした。 鵡川地区や厚真町などの大変な映像を見なかったことで、避難の方の心労が少なかったのかもしれません。

本庁入り口むかわ2
             ※産業会館入り口と倒壊店舗の様子(9月12日撮影)


穂別神社商工会館
  ※写真左:穂別神社(9月18日撮影)灯籠・狛犬は崩れ、屋根の千木(ちぎ:先端の交差するかざりの木)も落下写真右:※商工会館窓の破損(9月13日撮影)


 避難所での配食は、最初は役場の備蓄食料2食分を提供、震災の翌日からなんとか片付けた町民センターで作られた食事を運搬・配食する作業が1日3回。

カレーと根菜汁缶パン
※備蓄食のカレーと汁もの            ※食べやすい缶パン
 
館内 塩むすび
※当初の配食の様子~塩むすびがこれほど旨いものかと感じた瞬間!~感謝です!
 
 避難所には自宅に滞まっている方も食材・飲料水や生活用水の支援を求め、多数来られていました。避難所業務の合間には、ご年配の方や子どもとの会話をすることで、出来るだけ安心してもらえるように心がけました。

                                  つづく
 (by 恐竜隊員2号 佐藤)